このページの要点
- 景品表示法5条は、品質の優良誤認(1号)と価格・条件の有利誤認(2号)を禁じる。1号は根拠資料を示せないと不当表示とみなされる(7条2項)。
- 「手作り」「国産」「無添加」などは言葉ごとに根拠(レシピ、納品書、規格書)を残し、仕入れが変わったら表示を替える運用を作る。
- 食べ放題・飲み放題・時間制限・追加料金・お通し・サービス料は、価格の近くに条件をまとめ、メニュー・看板・ネットの内容を一致させる。お客様向けの価格は消費税を含む総額で表示し(消費税法63条。免税事業者を除く)、税抜価格を併記する場合も総額が明瞭に分かるようにする。
- 店が内容の決定に関与した口コミ・SNSの投稿は、広告であることが分からないと問題になり得る(5条3号に基づく告示)。
結論:表示は「お客様がどう受け取るか」で判断され、言い切る言葉ほど根拠を持っておく必要がある
メニューの「手作り」「自家製」「国産」「厳選」「限定」「食べ放題」「当店人気No.1」といった言葉は、料理の魅力を伝える大切な表現です。しかし、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)は、事業者が自己の供給する商品または役務について、一般消費者に誤認させる表示をすることを禁じています。食材の産地や種類を実際と違う形で伝えれば当然に問題になりますが、問題になるのは、嘘を書いた場合だけではありません。実際には根拠が曖昧なまま言い切った表示、条件を書き漏らした表示、比較の基準が実態と合わない表示も、お客様がどう受け取るかによっては、不当な表示に当たり得ます。
飲食店のメニューや看板、ネットの掲載で気をつけるべき点は、次の四つに集約されます。第一に、品質・内容についての優良誤認(実際より著しく優れていると示す表示)。第二に、価格・取引条件についての有利誤認(実際より著しく有利だと誤認させる表示)。第三に、食べ放題や時間制限、追加料金など、条件を書き漏らすことで生じる誤認。第四に、口コミやSNSの扱いで、広告であることが分からない表示です。いずれの場面でも、後から確かめられる根拠資料を持ち、条件を表示の近くに書いておくことが、トラブルの予防になります。
- 優良誤認と有利誤認の二つの類型(景品表示法5条1号・2号)を軸に、メニューの言葉を一つずつ点検する。
- 「手作り」「自家製」「国産」「産地」などの言葉は、仕入れの記録・レシピ・納品書など、後から示せる根拠を残しておく。
- 食べ放題・飲み放題・時間制限・追加料金は、お客様が注文前に分かる位置に、条件をまとめて表示する。
- お通し・サービス料・席料は、注文の前に分かるように表示し、価格は消費税を含む総額で表示する(消費税法63条。免税事業者を除く)。税抜価格を併記する場合も総額が明瞭に分かるようにする。
- 口コミやSNSの投稿は、店が内容の決定に関与しているかどうかで、広告として扱われる場合がある。
アレルギーの注記を含む、お客様の安全に関わる表示はアレルギー・食中毒・異物混入が起きたときで、店内の掲示や持込のルールは飲食店の店内利用ルール・入店規約で扱います。このページでは、料理名・産地・価格・条件の「言い方」に絞ります。
景品表示法5条の三つの類型と、表示が問題になった場合の流れ
景品表示法5条は、事業者は自己の供給する商品または役務の取引について、次のいずれかに該当する表示をしてはならないと定めています。1号は、商品または役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、または事実に相違して同種・類似の商品・役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの(優良誤認)。2号は、商品または役務の価格その他の取引条件について、実際のものや他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であって、同じく不当に顧客を誘引し、合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの(有利誤認)。3号は、前二号のほか、商品・役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であって、不当に顧客を誘引し、合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するものです。
この規定には、いくつかの重要な特徴があります。まず、「著しく」優良または有利と示す表示が対象で、通常の誇張の範囲は含まれません。料理の写真が「イメージ」であることが一般に分かる程度であれば、直ちに問題とはなりません。次に、判断の基準は、表示を見た一般消費者が受ける印象・認識です。店の側の意図や、料理名の一部だけでなく、メニュー全体、写真、店の業態や価格帯などから総合して判断されます。メニューの表示に関する具体的な考え方は、消費者庁が公表している景品表示法の資料の原文で確認する必要があります。
実際に不当表示と認められた場合の措置も確認しておきます。同法7条1項は、内閣総理大臣が、5条に違反する行為があるときに、その行為の差止めや再発防止のために必要な事項などを命じる措置命令を定めています。同条2項は、5条1号(優良誤認)に該当するか否かを判断するため必要があるときは、表示をした事業者に対し、期間を定めて、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、事業者が資料を提出しないときは、その表示は同号に該当するものとみなす、と定めています。つまり、品質について言い切る表示をした場合は、根拠を示せなければ不当表示とみなされる仕組みです。
さらに、同法8条は、5条1号または2号に違反する行為(課徴金対象行為)をしたときに、内閣総理大臣が、課徴金対象期間に取引をした商品・役務の売上額に100分の3を乗じた額の課徴金の納付を命じる、と定めています。ただし、事業者が、課徴金対象行為をした期間を通じて、表示が優良誤認または有利誤認に該当することを知らず、かつ知らないことについて相当の注意を怠った者でないと認められるとき、またはその額が150万円未満であるときは、納付を命じることができません。措置命令に違反した場合は、同法46条により、二年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金に処せられます。
表示が問題になったときの法律上の流れ
食品衛生法20条も、公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽または誇大な表示を禁じています。景品表示法とは目的が異なる規定で、健康被害に結びつく表示が主な対象です。
「手作り」「自家製」「国産」:言葉ごとに根拠を持つ
メニューの言葉の中でも、「手作り」「自家製」「国産」「天然」「無添加」「産地直送」「厳選」といった言葉は、お客様の期待を高める一方で、根拠のない言い切りになりやすい言葉です。食品表示基準は、設備を設けて飲食させる場合には、40条を除き適用されない(同基準1条)ため、外食のメニューの原産地や原材料の表示は、同基準の義務としては課されていません。しかし、義務がないからといって、何を書いてもよいわけではなく、書いた内容は景品表示法の対象になります。義務がない分、書く場合の責任は店が負います。
根拠の持ち方は、言葉ごとに違います。「手作り」「自家製」であれば、店の厨房で、店のスタッフが、材料から作っているかどうか、という実態が問われます。仕入れた冷凍の加工品を温めて盛り付けているだけなのに、「自家製」と書けば、実態と表示が合いません。「国産」であれば、使っている主な食材の産地が国産であることを、納品書や仕入れ先の資料で示せることが前提になります。一部のメニューだけが国産で他は輸入であれば、その範囲を明らかにする必要があります。「無添加」であれば、どの添加物を使っていないのか、店が仕込む段階と、仕入れた原材料の段階の両方を確認する必要があります。
メニューの言葉と、持っておきたい根拠
| 言葉 | お客様が受け取る印象 | 持っておきたい根拠 |
|---|---|---|
| 手作り・自家製 | 店で、材料から作っている | レシピ、仕込みの記録、仕入れた材料の一覧。市販品を使う部分があるなら、その範囲を明らかにする |
| 国産・産地名 | 主な食材がその産地のもの | 納品書、仕入れ先の産地証明、使用割合の整理。産地が変わる時期の対応 |
| 無添加・無農薬 | 特定の添加物や農薬を使っていない | 原材料の規格書、仕入れ先の保証。何について「無」なのかの範囲 |
| 天然・生・新鮮 | 養殖や冷凍ではない、など | 仕入れの記録、保管の状況。冷凍を経た食材との区別 |
| 厳選・こだわり | 他と比べて品質が高い | 選定の基準の説明。比較の対象があいまいな言い切りは避ける |
| 数量限定・本日限り | 数が限られる、機会が限られる | 実際の限定数、実際の期間。繰り返し「最後」と表示しない |
書き方の例(一般的な例) 料理名・産地の書き方
産地の表示
理由産地は仕入れの時期によって変わる。変わる場合に表示を替えられる運用にし、納品書の記録を残す。
手作りの範囲
理由「手作り」の対象が料理全体か一部かを分けて書く。全体が手作りでなければ、全体にかかるような書き方を避ける。
品質の言い切り
理由「日本一」などの最上級の表現は、客観的な根拠を示せなければ優良誤認に当たり得る。仕込みの方法など、事実を書く形にする。
食材の産地や原材料の保証を、仕入れ先からどう受けるかは食材の仕入れ取引の条件で扱います。メニューの表示の根拠になる書類を、仕入れの契約で受け取る約束にしておくと、表示の裏付けを持ちやすくなります。
食べ放題・飲み放題・時間制限・追加料金の条件
食べ放題や飲み放題は、価格が分かりやすい反面、条件の書き漏らしが有利誤認や苦情の原因になりやすい商品です。典型的な問題は、「食べ放題」と書きながら、実際には対象外の料理がある、制限時間が短い、ラストオーダーが早い、一人でも全員が注文しなければならない、残した場合に追加料金を取る、といった条件が、お客様に十分に伝わっていない場合です。
景品表示法5条2号の有利誤認は、価格その他の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示を対象にしています。「食べ放題 〇〇円」とだけ大きく書き、制限や対象外の料理を小さな文字や離れた場所に書くだけでは、お客様の誤認を招くおそれがあります。条件は、価格と近い位置に、同じくらいの大きさで書くのが基本です。
条文例食べ放題・飲み放題の条件の書き方(一般的な例)
- 食べ放題・飲み放題の料金は、ご利用のお客様全員に適用されます。同じテーブルのお客様には、全員で同じコースをご注文いただきます。
- 制限時間は、ご案内の時から一定の時間とし、ラストオーダーは終了の一定時間前とします。
- 対象となる料理・飲み物は、メニューに記載したものに限ります。記載のない料理・飲み物は、別料金となります。
- 料理を大量に残された場合や、持ち帰りをされる場合は、別途の料金をいただくことがあります。その場合は、ご注文の前にお知らせします。
時間や料金の数字は、店の運用に合わせて入れます。条件は、メニュー・看板・ネットの予約画面で、同じ内容にそろえます。
確認の問いと理由追加料金・条件の表示の確認
制限時間とラストオーダーの時間は、注文前に目に入る位置に書いてあるか。
終了間際の条件の説明は、後から「聞いていない」と言われる原因になる。
対象外の料理・飲み物は、一覧で示しているか。
対象外を店頭で口頭で説明するだけでは、有利誤認の指摘を受けやすい。
残した場合や、持ち帰りの追加料金の条件は、注文前に伝えているか。
追加料金は、同意を得ていない場合に争いになりやすい。
メニュー・看板・ネットの予約画面の内容は、一致しているか。
媒体ごとに条件が違うと、お客様に有利な表示が契約の前提と受け取られやすい。
予約の段階での条件の表示と、キャンセル料の考え方は飲食店のキャンセル料の決め方とネット予約・事前決済・デポジットの規約と特商法の表示で整理しています。
お通し・サービス料・席料・価格の表示
お通し(席料の性格をもつ小皿)、サービス料、席料、チャージは、飲食店で追加の料金が発生する代表的なものです。いずれも、お客様が注文する前に知らされていないと、会計の段階で苦情になりやすい項目です。これは、契約の成立の問題と、表示の問題の両方から考えられます。
契約の成立の面では、お客様は、メニューを見て注文した料理の価格に合意するのであって、お通しを頼んでいない、席料を知らされていない、と考えるのが通常です。店が、お通し代やサービス料を請求するためには、少なくとも、入店または注文の前に、そのような料金が発生する旨をお客様に分かる形で示し、お客様がその条件で入店・注文することに同意したと言える状況を作る必要があります。メニューの端に小さく書くだけ、会計の時に初めて示す、といった運用は、後から争われやすい形です。定型約款の考え方(民法548条の2)では、契約の内容とする旨をあらかじめ相手方に表示していたときに個別の条項も合意したものとみなされますが、相手方の利益を一方的に害する条項は合意しなかったものとみなされる(同条2項)という限界もあります。
表示の面では、料理の価格だけを大きく示して、追加の料金を小さく書く表示は、有利誤認(景品表示法5条2号)の指摘を受けるおそれがあります。お客様向けに価格を示すときは、消費税を含む総額を表示します(消費税法63条。免税事業者を除く)。税抜価格を併記する場合も総額が明瞭に分かるようにし、サービス料・席料などがあればその旨を価格の近くに書きます。総額は、お客様が実際に支払う金額を判断する基本の情報です。
二重価格(通常価格と割引価格を並べる表示)にも注意が必要です。「通常〇〇円のところ〇〇円」と書く場合の通常価格が、実際には販売されたことがない、または販売された期間が短いのであれば、実際より有利だと誤認させる表示になります。「期間限定」「本日限り」「先着〇名」といった表示も、実際の期間・数量と合っている必要があります。
追加の料金の、表示と同意の取り方
入店前の表示
入口・予約画面で示す
- 入口の看板や予約画面に、お通しやサービス料の有無と金額を書く。
- 予約の確認メールにも同じ内容を入れる。
注文時の説明
席に着いた段階で伝える
- 席に着いたとき、またはお通しを出すときに、料金が発生する旨を伝える。
- 伝えた記録は取れないため、書面での表示を中心にする。
会計時の確認
会計の明細に反映する
- 明細に、料理代金とお通し代・サービス料を分けて表示する。
- 会計の段階で初めて示すのは、争いの原因になる。
入店前の表示が、もっとも整理しやすい方法です。注文時・会計時の説明は、補う位置づけにとどめます。
口コミ・SNS・グルメサイトの扱い
グルメサイトの評価、SNSの投稿、口コミの紹介は、お客様が店を選ぶときの重要な情報です。店がこれに関わる場合には、景品表示法の観点から注意すべき点があります。
第一に、広告であることが分からない表示です。景品表示法5条3号に基づき、内閣総理大臣が指定した「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の告示は、2023年10月1日に施行されています。いわゆるステルスマーケティングを不当表示として扱うもので、規制の対象になるのは、自社の商品・サービスについて表示の内容の決定に関与した事業者(広告主)です。店が、投稿者に料理を無料で提供し、感想の内容を指示した投稿や、店の従業員が一般の客のふりをして書いた投稿は、問題になり得ます。一方、一般のお客様が自発的に書いた感想が、直ちに規制の対象となるわけではありません。この類型は、課徴金の対象には含まれていません(景品表示法8条1項は5条3号に該当する表示に係るものを除いています)が、措置命令の対象にはなり得ます。
第二に、口コミの掲載の仕方です。好意的な口コミだけを選んで載せたり、店が口コミを書き換えたりした場合、実際の評価より著しく優良であると示す表示になり得ます。引用する場合は、実際の投稿であることと、引用の範囲が評価の全体を歪めていないことを確認します。
第三に、投稿の見返りに特典を提供する場合です。「口コミを投稿すれば一品サービス」といった取組は、景品類の提供に当たり得ます。景品類の価額の最高額や総額の制限は、同法4条に基づく内閣総理大臣の告示で定められており(同条は、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、または景品類の提供を禁止することができると規定しています)、具体的な制限の内容は告示の原文で確認する必要があります。見返りを与える以上、投稿者が広告として扱われる関与があるかどうかも確認します。
口コミ・SNSを扱うときの点検項目
- 店が投稿の内容に関与している場合(無料提供、文面の指示、事前確認)は、広告であることを明記する。
- 従業員や関係者が、一般客のふりをして投稿していない。
- 口コミを引用するときは、実際の投稿であり、評価の全体を歪めていない。
- 特典と引き換えに口コミを依頼する場合は、特典の内容と、依頼の仕方を整理する。
- ポイントや食事券を投稿の見返りに付ける場合は、ポイントカード・食事券・回数券・ギフトの規約の整理も確認する。
確認の問いと、起きがちなこと
確認の問いと理由メニュー・価格の表示の確認
メニューの「手作り」「国産」などの言葉に、後から示せる根拠があるか。
優良誤認が疑われたとき、根拠を示せなければ不当表示とみなされる仕組みがある(景品表示法7条2項)。
産地や仕入れ先が変わったとき、表示を替える運用があるか。
仕入れの変更に表示が追いつかないと、実態と表示がずれる。
食べ放題や追加料金の条件は、価格と近い位置に書いてあるか。
条件を離れた場所に書くと、有利誤認と受け取られるおそれがある。
お通し・サービス料・席料は、入店前に分かる位置に表示しているか。
会計時に初めて示す運用は、苦情と争いの原因になる。
メニュー、看板、ネットの予約画面、SNSの内容は、一致しているか。
媒体ごとの食い違いは、お客様に有利な表示が前提とされるおそれがある。
メニュー・価格の表示で起きがちなこと
- メニューを作る
宣伝のために強い言葉を選び、根拠を確認しないまま載せる。
押さえる点言葉ごとに根拠の資料を決め、店内の誰が確認するかを決める。
- 仕入れが変わる
仕入れ先や産地が変わっても、メニューの表示はそのまま。
押さえる点変更を知らせる手順と、表示を差し替える担当を決める。
- キャンペーンを行う
割引の比較に使う通常価格が、実際の価格と合わない。「限定」を繰り返す。
押さえる点通常価格が実際に販売されていた価格か、期間・数量が実際と合っているかを確認する。
- ネットに載せる
グルメサイトやSNSの内容が、店内のメニューと食い違う。
押さえる点媒体ごとの更新の担当を決め、同じ内容にそろえる。
- 会計
お通しやサービス料が、会計で初めて分かる。
押さえる点入店前の表示を基本とし、明細に分けて示す。
メニュー・価格の表示で起きがちな不備
- 「手作り」「自家製」と書いているが、実際には市販品を温めて盛り付けるだけの料理がある。
- 産地の表示が、仕入れの変更に合わせて更新されていない。
- 食べ放題の対象外の料理や制限時間が、離れた場所に小さな文字で書かれている。
- 通常価格との比較表示の「通常価格」が、実際には販売されていない価格である。
- 一般客を装った投稿を店が行っている、または投稿の内容を指示していながら広告であることを示していない。
表示を直したうえで、規約や書類全体をどこまで整えるかは、飲食店の規約・契約書の全体像で整理しています。
よくあるご質問
料理名に「手作り」と書くには、すべてを一から作る必要がありますか?
法律が一律の基準を定めているわけではなく、お客様がどう受け取るかで判断されます。一般には、店の厨房で材料から作っているという印象を与えるため、市販の加工品を温めて盛り付けるだけの料理に「手作り」と書くと、実態と表示が合いません。手作りの範囲が料理の一部(ソースなど)なら、その範囲を分けて書く形にします。また、優良誤認が疑われた場合は、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求められ得ます(景品表示法7条2項)。
店内で出す料理の産地の表示は、法律で義務付けられていますか?
食品表示基準1条は、加工食品または生鮮食品を設備を設けて飲食させる場合には、40条を除き適用しないと定めているため、同基準による原産地などの義務表示は、店内の飲食には課されていません。ただし、産地を書く場合は、実際と異なれば景品表示法5条1号の優良誤認に当たり得ます。書く以上は、納品書など産地を示せる資料を残しておきます。
景品表示法に違反すると、どのような措置を受けますか?
内閣総理大臣は、5条に違反する行為があるときに、差止めや再発防止の措置などを命じる措置命令をすることができます(7条1項)。優良誤認・有利誤認に当たる場合は、売上額に100分の3を乗じた額の課徴金の納付が命じられることがあります(8条。額が150万円未満のときなどは命じられません)。措置命令に違反すると、二年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金の対象になります(46条)。
お通しやサービス料は、会計のときに説明すれば請求できますか?
会計のときに初めて示す運用は、後から争われやすい形です。お客様は注文した料理の価格に合意しているのが通常のため、少なくとも入店または注文の前に、料金が発生する旨と金額を、分かる形で示しておく必要があります。お客様向けに価格を示すときは、消費税を含む総額を表示します(消費税法63条。免税事業者を除く)。税抜価格を併記する場合も総額が明瞭に分かるようにし、サービス料・席料などがあればその旨を価格の近くに書きます。表示が不十分だと、有利誤認の指摘を受けるおそれもあります。
口コミを書いてもらう代わりに、料理を一品サービスしても問題ありませんか?
問題になる場合があります。投稿の内容に店が関与していながら、広告であることが分からない表示は、景品表示法5条3号に基づく告示(2023年10月1日施行)の対象になり得ます。また、見返りの特典は景品類の提供に当たり得て、同法4条に基づく制限の対象になります。取組を行う場合は、依頼の仕方、広告である旨の表示、特典の内容を整理しておきます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、営業の形態や契約の内容によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、契約書作成の実務でよく見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 厚生労働省 / 個人情報保護委員会